大人の百日咳が流行

百日咳の症状は、なかなかおさまらない長引く咳が特徴です。軽い風邪だと油断していたら、百日咳の可能性も考えられるのです。風邪をはじめとして、咳 の出る疾患はいろいろありますが、百日咳の症状は発作性けいれん性の咳が長期間続くのです。1年中発生しますが、春から夏にかけて発生がやや多くなるので注意しましょう。
また、これまで百日咳は子供や乳児の疾患だと考えられていましたが、20歳以上の大人の報告割合が年々増加傾向にあります。2000年には5%未満だったのに、2007年には患者全体の36.5%が20歳以上の大人が占め急増しています。
これは小児科で採ったデータだけなので、特に大人に対する発生状況については、現状では、ごく一部の情報しか得られていません。実際の感染者はもっと多いと考えられます。「百日咳菌」の気道感染によって、百日咳は発病する感染症です。感染した人が咳やくしゃみをして、唾液などの飛沫と一緒に飛び散った百日咳菌を吸い込み、のどや鼻の粘膜から感染します。さらに、感染した人の手や感染した人が触ったものを媒体として接触感染する可能性もあります。
通常、百日咳は感染後、7〜10日間の潜伏期間を経過して発症します。

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百日咳の症状

百日咳の初期症状は咳、くしゃみなどの軽い風邪のような症状で、以下の3つの期間があります。
1:カタル期(約2週間)くしゃみ。咳など、軽い風邪のような症状が出てきて、だんだん咳の回数が増えていきます。他の病気との合併症がない限り、発熱はありません。また、百日咳の初期は感染力が強くなっています。
2:痙咳(けいがい)期(約2〜3週間)次第に、激しく咳き込んだあと、息を吸い込むときに笛の音色のような「ヒュー」という音が出る咳を繰り返すようになります。しばしば咳き込んで嘔吐してしまうこともあります。百日咳の特徴として夜間に多く発症し、顔面ははれてむくんだような浮腫状になります。乳幼児では、このような特徴的なけいれん発作が現れずに、無呼吸発作から、けいれん、呼吸停止へと悪化するケースもあります。また、乳児では肺炎のほかに脳症を合併症として発症することもあります。
3:回復期(2〜3週間以上)約2〜3週間の痙咳(けいがい)期の後、激しいけいれん性の咳は次第になくなってきて、発症してから約2〜3カ月程度で回復します。大人の場合は、咳が長期間続くものの、特徴的なけいれん性の咳の症状が見られないこともあるため、百日咳と気づかないことが多いのです。しかし、そのまま放置しておくとワクチン未接種の乳幼児に百日咳を感染させる危険があるので早めの治療が必要です。

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百日咳の予防接種と治療

百日咳対策にはワクチンを使用した予防が一番効果があります。百日咳(P)ワクチンは1950年に予防接種法によるワクチンに制定され、ジフテリア(D)と混合のDPワクチンが1958年から使用され、破傷風(T)を含めたDPT三種混合ワクチンが1968年から広く使用されるようになりましたが、その普及のおかげで患者数、特に乳幼児の発病数は大幅に減りました。では、大人に流行しているのは、何故でしょうか。一つには、DPT 三種混合ワクチンを未接種の人が感染していることがあります。また、ワクチンは5〜10年程度の免疫効果と考えられているため、ワクチンを接種していても感染する人もいます。そして、乳幼児のような特徴的な症状が大人の場合はあまり現れないので感染が拡大していると考えられます。ただの風邪と思って治療せずに、周囲に感染させてしまっている可能性もあります。
百日咳の治療には、特別な抗菌薬が使用されます。これらを投与すると早く回復するので、大人の場合は感染したとしても死に至るほどの重病ではないので、あまり心配する必要もないですが、もし乳幼児に百日咳を感染させてしまうと大変なことになります。
百日咳は、発病後の感染可能期間が長く、早く治療を受けないと周りの多くの人を巻き込む可能性があります。熱が殆ど出ないのに夜間に激しい咳が続くなど、百日咳かもしれないと思った時は、早めにお医者さんの診断・検査を受けましょう。治療のための抗菌薬を服用することで、周りへの感染性はすぐに止まり、症状も改善されてきます。

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